カラーバリエーションやデザインが豊富で、何枚持っていても飽きないTシャツ。ですが、販売されているTシャツの中にイメージ通りのものがないと悩む方もいらっしゃるでしょう。
理想のデザインがなかったり、サイズが微妙だったり、なかなか自分が思い描くTシャツと巡り合えていない方は「オリジナルTシャツ」の自作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
既製品で手に入らないようなデザイン、サイズでも、自作であれば思い描いた通りのものが仕上がります。
難しそうと思うかもしれませんが、実は簡単に自作することができ、初心者でも気軽に挑戦できます。
自作する場合の注意点や、自作のメリット・デメリットを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
Contents
オリジナルTシャツの作り方3選
自宅でオリジナルTシャツを作成する方法は、大きくわけて3種類あります。それぞれ特徴が異なり、必要なものや仕上がりに差があります。
アイロンプリント
自作する場合にもっとも簡単で有名なプリント方法です。手軽に始めたい方や、Tシャツ以外の小物もセットで楽しみたい方におすすめです。
市販の専用シートにデザインを印刷し、アイロンの熱を利用してTシャツに圧着する方法です。
専用シートとは、一般的にアイロンプリントシートと呼ばれる市販の転写シートのことでで、イラストやテキストはもちろんフルカラープリントも可能なため写真などをそのままプリントできます。初心者でも簡単にチャレンジできる方法です。
アイロンプリントシートは100円ショップや手芸店、家電量販店、バラエティーショップなどで販売されており、簡単に手に入れることができます。
Tシャツ以外にもマスクやポーチなどの小物にプリントすることもできるため、さまざまなオリジナルアイテムを作成できます。
Tシャツとコーディネートできるようなアイテムを一緒に自作するのも良いでしょう。
ただしTシャツの素材には注意が必要です。アイロンを使用するため、熱に弱い素材には使用できません。素材や手順、注意事項をよく確認してから始めましょう。
ステンシルプリント
型となるステンシルシートの上からスプレーやインクなどで着色することで、Tシャツにデザインをプリントする方法です。オリジナルアイテムをたくさん作りたい場合や、アンティーク風に仕上げたい場合におすすめです。
細かいプリントはできないものの、インクの滲みが「アンティーク風」「ガレージ風」などの独特の風合いに仕上がるため人気の自作方法でもあります。Tシャツ以外にも小物や車・バイクなど、幅広いアイテムにプリント可能です。
ステンシルシートは100円ショップや手芸店などで販売されており、手軽に始められます。
自分のデザインしたステンシルシートを作りたい場合は、厚紙や厚めのクリアファイル、プラスチックシートにデザインを描き、カッターでくり抜くことでオリジナルのシートを作ることができます。
プリントを始める前にシートがずれないよう、Tシャツにテープで固定します。色を着けたくない場所はマスキングテープで覆うと安心です。
ステンシルシートの上から、布用インクを押す、またはスプレーで着色しましょう。シートをゆっくりとはがし、乾燥させたら完成です。
ステンシルシートは何度でも再利用できるので、同じデザインのものを量産することができます。学生のクラスTシャツなどにも適しています。
シルクスクリーン
メッシュにインクが通過する部分と通過しない部分の版を作ることで、デザインを転写する方法です。
同じデザインをたくさん作りたい場合や、単色のデザインをプリントする場合におすすめです。
色の数だけ版が必要になるので、3色などのデザインを作りたい場合はかなり手間がかかります。
シルクスクリーンに挑戦するときは、以下のアイテムを用意しておきましょう。
- ウッドフレーム
枠として使用します。
コルクボードや刺しゅう枠などでも代用可能、
インクを伸ばすためスケッパー(スキージー)より大きいものにしましょう。 - メッシュ生地
生地の表面に穴が沢山開いている生地で、一般的にはナイロン素材が多い。シルクプリントキットを販売しているサイトで購入可能。 - 専用インク
シルクスクリーン専用の水性インクがおすすめ - スケッパー(スキージー)
プリントする際にインクを伸ばすための道具 - マスキングテープ、または養生テープ
- 版を作成するための専用シートやインク
版をどのようにして作成するかによって必要な材料が異なります。
専門的なアイテムをひとつひとつ揃えることは大変かもしれません。その場合は市販されているシルクスクリーンキットを購入すると手軽に始めることができるのでおすすめです。
オリジナルTシャツを自作する3つのメリット
オリジナルTシャツを自作するメリットとして、主に3つのポイントが挙げられます。
いずれも市販のTシャツでは得られない、自作するからこその利点です。
安価に作れる
大きなメリットとして挙げられるのが、自作することで安価に好きなデザインのTシャツが手に入るということです。
例えばアイロンプリントであれば、専用のシートを購入してアイロンで圧着するだけなので、リーズナブルかつ簡単に作成できます。
一枚数百円ほどで作ることも可能なので、枚数によってはオリジナルTシャツの製作を業者に発注するよりも、安く済ませることができます。
自由自在にデザインできる
市販のTシャツでは満足できない方や、市販のTシャツにはないデザインを作りたい方にとっては大きなメリットです。
業者にプリントを依頼する場合、プリントの位置や大きさなどがあらかじめ決められており、デザインの幅が制限されるケースがあります。
しかし自作であれば、好きな位置に好きな大きさのプリントができるので、頭の中で思い描いたとおりのオリジナルTシャツを作ることができます。
インクやTシャツの素材・サイズなども自分で好きに選べるので、自由にデザインを楽しめます。工夫次第では他にはない唯一無二のオリジナルTシャツを作ることができるでしょう。
満足感が得られる
自作した理想のデザインのオリジナルTシャツを着ることはもちろんですが、そこに至るまでの過程も含めて満足感を得られます。
「欲しいデザインの市販品がない」「既製品にはない私だけのオリジナルTシャツが欲しい」といった願いを叶えられるのが、オリジナルTシャツの醍醐味です。自作する場合は「欲しかった」を自分の手で叶えられるので、高い満足感を得られます。
オリジナルTシャツを自作する2つのデメリット
オリジナルTシャツの自作は、メリットがある反面いくつかデメリットもあります。
「こんなはずじゃなかったのに」と後悔してしまわないように、事前にデメリットも押さえておきましょう。
時間がかかる
Tシャツを自作する場合、意外と時間がかかってしまうのがデメリットとして挙げられます。
必要な道具を用意して、デザインを考え、各工程を確認しながら進めるため、実際の作業量以上に時間がかかります。もちろん時間をかけて作っていく工程も楽しみの一つではありますが、急いで欲しい場合や、クラスTシャツのように期限が決まっている場合にはネックになります。時間が限られている場合は、業者に依頼する方法も検討しましょう。
完成までの工程を楽しむゆとりを持ってオリジナルTシャツの自作を楽しみましょう。
失敗する可能性がある
自作Tシャツは作成者の腕前やセンスに左右されがちなので、失敗する可能性も考慮しましょう。
必ずしも満足できる仕上がりになるとは限らず、プリントの位置がズレたり、インクが滲むなど、何事も初めての挑戦は失敗することもあります。またいかにも素人が作ったような手作り感溢れるTシャツに仕上がってしまうこともあり、せっかくつくったものの着ることが難しい場合も考えられます。
一度で成功するとは限らないので、予備を用意しておくのもよいでしょう。
とはいえ失敗が重なると、コストがかかり、Tシャツを何枚も無駄にしてしまいます。事前に作り方の手順や注意点などをよく確認して作業をすすめましょう。
オリジナルTシャツを自作する際の注意点
オリジナルTシャツを自作する上で、気を付けたいのが「素材選び」「著作権」「納期」の3つです。
それぞれの注意点を押さえておくことで、納得できるクオリティのオリジナルTシャツを自作しやすくなります。
素材選びにこだわる
プリント方法とTシャツの素材の相性を確認しましょう。自作プリントと相性が良い素材は綿100%のTシャツです。アイロンプリントの熱にも耐え、ステンシルプリントやシルクプリントの場合もきれいに仕上がります。
Tシャツであればどんな素材でも良いわけではなく、それぞれのプリント方法には向き不向きの素材があります。
例えば熱に弱いポリエステル素材の場合、アイロンの熱で変色したり、テカテカと不自然な光沢が出てしまうこともあります。
また水を弾く撥水性の高い素材や加工が施されている素材の場合、インクの種類によっては定着しにくく相性が悪いため自作でプリントをするには難しいかもしれません。
Tシャツを選ぶ際は、少し厚手のものを選ぶと透けにくく、しっかりした本格的な仕上がりになります。
ですが、いきなり用意したTシャツを使用して失敗するとダメージが大きいので、まずは安価なTシャツや布などを用意して練習することもおすすめです。
満足いく仕上がりのプリントができるようになったら、本番用のTシャツにプリントしてみましょう。
著作権・肖像権などに気を付ける
著作権や肖像権といった権利を侵害していないかどうか、十分に気を付ける必要があります。
完全にオリジナルのデザインであれば問題ありませんが、既にある著作物のデザインや芸能人などの写真を使用すると、著作権や肖像権の侵害になります。
例えば「漫画やアニメ、ゲームのキャラクター」「企業・製品のロゴ」「アイドルやバンドの写真」などをデザインに用いる場合が考えられます。著作権・肖像権の侵害が発覚すれば、罰金刑となる可能性もあるので、十分に注意して製作しなければなりません。
基本的には「自分だけで使う」「販売しない」など、私的な使用の範囲であれば著作権違反にならない可能性があるものの、私的な範囲を越える線引きは難しくなっています。
例えば自作のTシャツをSNSにアップした場合は、私的範囲を超える可能性があるなど、素人目には線引きがわかりにくくなっています。
もし版権キャラクターなどをデザインに使いたい場合は、公式で発表されている二次使用のガイドラインを確認して、問題のない範囲で楽しむようにしましょう。
デザインを考えるのが難しい場合は、著作権フリーのデザインを活用するのもおすすめです。
著作権や肖像権を侵害しないように、完全にオリジナルのデザインを使用するか、公式の二次使用ガイドライン内で許される範囲での使用を心掛けましょう。
納期を決め製作期間に余裕をもたせる
事前に納期を決めて、製作期間には余裕をもたせるようにしましょう。
例えば文化祭で使用するクラスTシャツのように、Tシャツを着たい日が具体的に決まっているのであれば、納期から逆算して余裕を持ったスケジュールを立てるのがおすすめです。
自作でのオリジナルTシャツ作成は手軽に挑戦できるものの、慣れないうちは時間がかかります。
タイトなスケジュールでは間に合わないかもしれないので、余裕を持って取り組みましょう。初回で成功するとも限らないので、思っている以上に時間がかかると想定しておきましょう。またデザインの考案や道具の用意など、実際の作業以外にかかる時間も加味しておくことも大切です。
製作期間に余裕を持たせたスケジュールを立てて、慌てて製作に追われることのないようにしましょう。
大量生産・高品質を求めるなら業者に任せるのがおすすめ
大量のオリジナルTシャツの作成や、市販品のような高いクオリティのオリジナルTシャツを求めるのであれば、自作ではなく業者に任せるのがおすすめです。
何十枚も大量のオリジナルTシャツを自作することは体力、時間、神経も使います。手作業のためどうしても限りがあります。
例えばクラスTシャツやスポーツチームのTシャツなど、一度に何十枚ものTシャツが必要な場合は、業者の利用をおすすめします。
専門業者であれば品質も安定しているので、何十枚と発注しても同等のクオリティで、インクがかすれたり、プリントの位置が曲がったりといった心配はありません。また注文する枚数が多ければ多いほど、1枚当たりの単価が安くなる業者が増えたので、自分で作るよりも費用が安く、きれいな仕上がりのTシャツを作ることができます。
業者に依頼することで高品質なプリントが施されるのはもちろん、耐久性が高く洗濯してもインクが剥がれる心配がありません。
大量生産や高品質なオリジナルTシャツを求めるのであれば、自作だけではなく専門業者への発注も検討しましょう。
自分だけのオリジナルTシャツを楽しもう
オリジナルTシャツの自作は意外と気軽にチャレンジできます。自由なデザインでコストを押さえて作ることができるので、大きな満足感を得られるでしょう。
ただし素材選びや著作権など注意すべき事項もあるので、事前に注意点を押さえておくことが大切です。また大量に作成したい場合や、市販品と遜色ない高いクオリティを求めている場合は、専門業者への発注も検討してみましょう。
デザイン作成からプリントまでの工程を自分でできることが自作プリントの楽しさです。今回の記事を参考にぜひオリジナルTシャツ作りにチャレンジしてみてくださいね。
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